みなさん、こんにちは。
昨晩はものすごい風でした。この建物ごと吹き飛ばされてしまうんじゃないかってくらいの、それはそれはもんのすごい風が吹いていて、この春に生まれたばかりのめだかベイビーが数匹いなくなっていました。
それに気づいたのは昨晩、もうお外がすっかり暗くなってからです。お外に置いてあったなにかがものすごい音を立てて落ちたのを聞いてお外に出てみたら、めだかベイビーの水がずいぶんと飛ばされているのに気づきました。
あわてて外に飛び出し、スマートフォンの明かりを頼りにいなくなっためだかベイビーたちを探していたら、アスファルトの上にうっすらとできた水たまりの中を1匹のめだかベイビーが泳いでいるのを見つけました。
あまりにも薄い水たまりだったので、なにかですくうこともできません。指の腹でつまめば、骨が折れてしまうかもしれない。でもこのままここで泳がせておけば、明日の朝が来る前に干上がってしまうかもしれない。
風に殴られながらその場に座り込み、考えた結果、指の腹でつまむことにしました。力を抜いて、私の指先はやさしいトングになって、めだかベイビーを水槽に戻すことに成功しました。まさかこの強風で水が飛ばされるなんて。想像もできませんでした。
以前Netflixで見たドキュメンタリーで「命は取り返しがつかない」と観ました。本当にそうですね。ここではないどこかへ行ってしまった命たちとは、もう二度と一緒に春を迎えられはしないし、話すことも、顔を見ることすらできません。本当に、どこへ行ってしまったんだろうといつも思います。
残された春生まれのめだかベイビーたちは、みどり色の水の中を気持ちよさそうに泳いでいます。たくさん食べて、たくさん泳いで、少し大きくなったらママとパパとお友達がいるビオトープにお引っ越し予定です。
こちらはぶあつい灰色の雲の間からだんだんと太陽が顔を出し始めています。みなさんは無事でしたか、なにもかもどうですか、元気でしょうか。またね。